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「ビタミンCとパプリカ」

疲労回復や免疫力向上、肌荒れ防止や美肌効果に効く栄養素としてよく知られているビタミンCを発見したのは、ハンガリー人の学者であるということを皆さんご存知でしょうか?

 

セント=ジュルジ・アルベルトは1893年ブダペストに生まれ、ブダペスト大学医学部で学位取得後、ドイツ、オランダ、イギリスの大学で研究をしていました。

その後、ハンガリー南部の都市・セゲドにある大学に移ったアルベルト博士は研究員とともにビタミンCの研究を始めました。

 

当時、柑橘類に含まれる何らかの物質が壊血病に対して効果があることは知られていましたが、アルベルト博士らがその物質がヘキスロン酸であるということを突き止め、ビタミンCと名付けました。

この時、セゲドの名産品であり、ハンガリー料理の代名詞であるパプリカが研究に使われましたが、パプリカにビタミンCが豊富に含まれていることに気が付いたのは、偶然の出来事でした。

 

研究には多量のビタミンCを必要としていましたが、キャベツやレモンからは思うような量を抽出することができなかったため、代わりになるものを探していました。

ある晩の夕食に出されたパプリカサラダを食べたくなかったアルベルト博士は、パプリカにもビタミンCが含まれているかも知れないと思い、試しに研究室持って行き調べてみることにしました。

驚いたことに、パプリカにはビタミンCが豊富に含まれており、さらに、レモン汁からよりも簡単にビタミンCを抽出することができることがわかりました。

 

パプリカから抽出したビタミンCの結晶により、壊血病で苦しむ世界中の人々を助けました。アルベルト博士は、ビタミンCの発見などの功績により、1937年ノーベル生理学医学賞を受賞したのです。

 

グヤーシュスープやパプリカの肉詰めなど、代表的なハンガリー料理にはパプリカが使われており、ハンガリーの食卓にはパプリカは欠かせません。

皆さんも、パプリカをたっぷり使ったハンガリー料理を食べて、体に良いビタミンCを摂取してみませんか?

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